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2015-07-03 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑫~

ここ2年の海外表現事件簿

国境を越えるコンテンツが普通になり、国同士の文化交流が起こると思って勘違いしていた10年前。
実際、各国が身近な存在になればなるほど衝突が起き、海外を意識したコンテンツ作りには表現の配慮が不可欠になってきているようです。

2013年から最近までの国内外の事件の一部をまとめてみると、

イタリア アメリカのゲーム「GTA V」に登場する実在マフィア「ガンビーノ一家」の娘が米ゲーム会社・Rockstar Gamesを提訴。
自身の半生を元にしているという理由。4000万ドルの賠償金を求める。
イタリア 米銃器メーカー・アーマライト社がライフルを持ったミケランジェロの「ダビデ像」の広告にイタリア文化大臣が抗議、フィレンツェ国立博物館の著作物として法的措置も考慮。
アーマライト社が謝罪。ダビデ広告掲出を判断した時の会社所有者も変更。
フランス フランスのシャンパン=「Champagne」という名称は日本国内で保護されているはずとシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)から申し立て。
4人組ロックバンド「Champagne」は新バンド名「Alexandros」に変更した。
EU <上記に関連して>
EPAからEU域内の有名産地名を使った商品205件について勝手に使用しないことを日本に求める。
合意内容によっては、日本で定着した商品名が変更を迫られる可能性あり。
フランスのワイン産地に由来した「シャンパン」や「ボルドー」、イタリアのチーズ産地に由来した「ゴルゴンゾーラ」や「パルミジャーノ・レッジャーノ」、英スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」などが上げられ、コンテンツ内の呼称にも影響がある。
中国 米EA社が開発したビデオゲーム「バトルフィールド4」の拡張コンテンツに、中国政府を転覆させようとする海軍大将のストーリーが含まれているため、中国政府が文化侵略としてダウンロードコンテンツ、デモ他、記事、検索ワードまで削除。
中国 現地出版社から出されている日本アニメ愛好誌が暴力的なシーンやわいせつな内容が数多く含まれるとして、出版許可取り消しで停刊に。
中国 中国文化省が海外産コンテンツの規制強化に乗り出し、映画やテレビ以外でも大手配信サイトで配信されている外国産アニメに対し、未成年を犯罪に導く暴力やわいせつな内容、またはテロ活動と見做されるものを配信不可に。日本のアニメ30本以上がブラックリストに上げられ、配信中止。
韓国 たばこ規制団体「アフリカ・タバコ規制同盟(ATCA)」が韓国たばこ最大手のKT&G(旧韓国たばこ人参公社)の新ブランド「This Africa」の、アフリカ人をチンパンジーに見立てたイラスト広告の掲載中止を要求。
KT&Gは広告を中止すると発表。KT&G側は「人種差別的だという懸念を払拭したい」と釈明。
韓国 ハリウッド映画「Godzilla」のプロモーション用ポスターに旭日旗のデザインを使用したとして非難。
ワーナー・ブラザーズ・コリアが謝罪し、ポスター、映画紹介サイトや公式フェイスブックなどから全て削除。今後韓国だけでなく、ほかの国でも使用しないと発表。
韓国初の「ONE PIECE」展示会が作品中に帝国主義の象徴「旭日昇天旗」があるとして一旦中止、2週間遅れで再開。
映画「ベイマックス」の作中に旭日旗が登場するとして非難。
マレーシア 現地出版社から発行された「ウルトラマン」のマレー語版キャラクター本や漫画が発禁。
ウルトラマンキングがウルトラファミリーの最年長だとし、イスラムの神「アラー」と見なされ、崇拝されているという説と社会的秩序を乱す可能性があるという説もあり。
台湾、アメリカ 台湾ではアニメ「ドラえもん」のジャイアンがのび太を殴ったりするシーンがいじめを助長するとして、いじめが含まれていない回だけを放送。
アメリカでは男の子たちのケンカシーンが「暴力シーン」と認定され、削除の対象となっている。
インドネシア、アメリカ インドネシア政府の放送委員会(KPI)が2000年からRTCIで放送しているアニメ「クレヨンしんちゃん」に、おしりの丸出し行為や他人のデートののぞき見、胸の谷間を強調したセクシーな服を着た女性など子どもの視聴にふさわしくないとして、モザイク処理や一部描写の削除を要請。
アメリカでお尻をすぐ出すという理由で放送禁止に。
ミャンマー ミャンマーの裁判所がバーを経営していたニュージーランド人男性らに対し、店のフェイスブックのページにヘッドホンをつけた仏像のイラストを使用したことが宗教の侮辱罪に当たるとして懲役2年6か月を言い渡す。
国民の約9割が仏教徒であるミャンマーの仏教は、僧侶が酒を飲むことも音楽を楽しむことも禁止している。問題のイラストはそのいずれにも抵触しているという理由から。
エジプト エジプト政府が旧約聖書の出エジプト記をモチーフにした米映画「エクソダス 神と王」について歴史的な描写が不正確として上映禁止。
※出エジプト記とはモーセが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語。
その他(事件や事象に直結したもの) PlayFTWが開発した「Bomb Gaza」がイスラエルによるガザ地区への攻撃をシミュレートしたモバイルゲームで、ユーザーからの抗議を受け、米Googleのアプリストアから削除。

特に、宗教、子どもの扱い方(描き方)などに加え、今後は産地名称を使ったものが使えなくなる可能性もあり、作る前から意識をしておかないとリテイクや修正に費用がかさみそうです。

またグローバルコンテンツと意識していなくても、海外にコンテンツが流れてしまう状況下、国際問題までに発展する可能性もありますので、事前チェックを怠らないことが重要だと思います。

現在の産地名称に近い話ですが、発祥や起源説も沸いており、近い将来、馴染みのある孫悟空や三国志、ギリシャ神話などに派生しないことを祈るばかりです。

2013-04-15 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑪~

宗教~天使と妖精~

以前の仕事で、海外向け資料を作成している時に、ふと「悪魔」をどう訳そうか悩んだことがありました。

デビルがいいのか、デーモンなのか、またはサタンなのか。
デビルというと「デビルマン」、デーモンというと「デーモン小暮」を思い出しますが、それらの言葉の違いがどれほどネイティブの人たちに響くのか、我々にはわかりません。
結局、米国人によるネイティブチェックの段階でデビルで統一しました。

そこでやっちゃった!事件簿です。
今回のテーマの「天使と妖精」です。
(え、前フリは何だったの?)

天使と妖精の違いを明確に説明できますか?

天使は森永製菓の「エンゼルパイ(エンジェルをエンゼルとしている)」に代表されるように矢を手に持ち、裸で背中に羽があり、頭に天使の輪がのっている子供を想像しませんか?

それともダークファンタジーな「堕天使」の方が有名で、それこそ悪魔の方を想像する人もいるように思えます。

では一方、天使はどうでしょう。
アイドルグループの「フェアリーズ」を思い出してしまった人は問題がありますが、ピーターパンに出てくる「ティンカー・ベル」が思い浮かべられることができればOKです。
天使に対し、妖精のイメージは少女か女性に限られ、ヒラヒラしたものをまとい、背中にはやはり羽があるように思う人がほとんどだと思います。

日本では、最近までこの区別がよくわからず、妖精を天使のように扱い、ごっちゃまぜな扱いをしてきました。
妖精なのに、天使のように「まっぱ」状態にしてしまい、海外でローカライズ(文化的な表現や言語を現地に合わせたものに作り変え)をする時に発覚。

アメリカから指摘を受けるのです。
妖精は裸ではないと。

そんなことをいわれても。。。とならないように、気をつけましょうね。

2013-04-03 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑩~

宗教―イスラム教とヒンズー教―

久しぶりの「海外表現編」です。

実は海外表現編でのネタはつきないのですが、記事をアップする前の社内検閲(?)で、ボツ案になることが多くて・・・。

そんな逆境の中、今回はイスラム教とヒンズー教を特に取り上げたいと思っております。キリッ

「ピュー・リサーチ・センター」が昨年12月に発表した「The Global Religious Landscape」によると、世界の三大宗教である、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教の人口ランキングが、キリスト教、イスラム教、「無宗教」の順番に変わったという衝撃的(?)な結果がニュースで話題になりました。

無宗教が宗教別人口に含まれるかの問題はさておき、そうは言っても、キリスト教人口が世界の約32%(22億人)、イスラム教が23%(15億人)、ヒンズー教が15%(10億人)を占め、いまだ三大宗教で世界全体の7割を占めていることは間違いありません。

キリスト教は、イスラムやヒンズー教に比べ、表現に対してはまだ緩く問題が起こりにくいのですが、これからのコンテンツ産業の注力マーケットとして見た場合、爆発的に人口が増えていく中東はイスラム教ですし、中国に次ぐ経済大国と予想されるインドはヒンズー教ですので、海外に販売したり、共同制作を行う際に、アメリカや中国以上に気をつけることが多くなります。

イスラム教関係国で、何が一番異なるかと言えば、女性の扱い方です。

・女性の服装(袖なしダメ、ミニスカートダメ等の露出)や仕草
・豚の扱い(豚は悪魔の生き物)
・同性愛
・性的表現
・聖地(聖地には触れない、関わらないこと)

です。

また、イスラム教の中でもアラブ首長国連邦とサウジアラビアだと格段に表現の規制も異なります。
サウジアラビアはかなり厳しいと思ってください。
そして、アジアのインドネシア、マレーシアが中東に比べ、かろうじて緩いように思えます。
でも、ダメなものは本当にダメ出しされる表現はもちろん(豚など)あります。

ヒンズー教では、

・牛の扱い(牛は神聖なもの)
・性的表現
・聖地(聖地には触れない、関わらないこと)

などに気をつけないければならないように思います。

中国でも日本のアニメに対し、登場する少女のパンツが出ていることで、表現規制に引っ掛かったことがありました。
性的表現とは現在国会で提出されている「児童ポルノ禁止法改正」にも関係していますが、児童以外でも、成人男女のシーンでも規制がかかったりします。
特に男女の絡み(影やボカシでも)には気をつけなければなりません。

そして、次には言語問題もあります。
別の機会に詳しく説明するとして、中国本土の場合でも北京語と広東語(表記文字では簡体字と繁体字)を用意するように、インドでは公用語のヒンズー語以外に、22言語もあり、本来であれば、それぞれの言語に置き換えなければならない問題もあります。

本当に、海外コンテンツ制作って大変ですね~。

2010-04-18 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑨~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑧~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

 

海外の国名や地名

それこそ、今では一般語になってしまいましたが、「地球の温暖化」は、国民のほとんどが意識する、または、させられる言葉として定着しています。

それよりもはるか昔の話です。
地球温暖化の警鐘を鳴らす意味で、とある海外の国の特定地域を使った広告を世界に向けて発信した時のことでした。

温暖化により、海面の水位が上がり、街は、まさに水没の危機!!

ondanka(イメージ図)


と、リアルな映像と共に、あるメッセージを謳ったものでした。

やっちゃった!事件ですよ。

その市民から、大クレームがあったのです。
海外からの観光収入を期待していた街だったため、世界にそうしたメッセージを流されることは誠に遺憾だと。
(そりゃ、そうだ。)

かつてのアメリカのコンテンツの勧善懲悪のストーリーには必ずといっていいくらい、旧ソビエトからのスパイを悪者として登場させていました。
その頃のソビエトといったら、アメリカと世界を二分するような超大国で、宇宙開発などの分野でも圧倒的な存在感がありました。
(ソビエト崩壊後は経済発展の著しい経済ブロック、BRICsとして再登場中ですが。)

当時はWebなどはないので、今ほど世界が身近ではなかったし、米ソ冷戦時代で国交が余りなかったことも幸いだったのかもしれません。

しかし、今は国と国の距離が近くなったことで、ちょっとしたケアレスミスで国民や市民の感情を逆なですることもありますし、対応によってはネット上で炎上なんてことも。

また、世界向けに発信しなくても、少しでもヒットすれば、ネット上に公開され他国の人に見られることもあります。

最近、あるコンテンツに載せられた特定地名の表記でも話題になったばかりですが、日本のコンテンツは世界の注目の的であるのに、それとはウラハラに、コンテンツのグローバル化にはそれなりの配慮が必要な時代となってきました。
表現の自由とは・・・と思うと、なんとも言えません~。

2010-03-17 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑧~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑦~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

 

色の表現(2)

かつて、タブーと言われるアフリカ系アメリカ人を中国でのコマーシャルに起用して、(当時中国には殆どいなかったため)大成功を収めたことがあります。

商品が悪いわけではないのに国民感情を逆撫でして、企業イメージを損なったり、不成功に終わった時にはそれこそ、冷や汗モン。
しかも食品メーカーのCMだったので、かなり挑戦的なものでした。

新手の表現を試してみるというのは、リスクが非常に高いものですが、成功した時には確実に達成感が味わえます。

オーディションを繰り返し、モデルを絞り込む。
そして、演技力チェック、候補者の海外渡航の手続き。
・・・そして、
コマーシャルの大反響があって、まさに充実した仕事でした。

な~んて脱線してしまいましたが、今回も色の表現についてです。

黄色人種と白色人種とでは色の見え方も若干違うのはご存知でしょうか。

白色人種がサングラスを手放さないのは、眼の色素が薄いので、光を一杯取り入れることができ、暗い中でも黄色人種より眼が見えるというらしいことです。
ヨーロッパの室内は、たいがい間接照明が施されていて、日本人にとって薄暗く感じられますが、それでも大丈夫ってこと。
逆に日本は白熱灯が一般的で、黒眼のため、光を一杯吸収しないと見えないことがようです。

だから、光の吸収が異なれば、色についての感覚や表現も違っていいはず。

子どもたちに太陽を描かせると、日本は赤が多いそうです。
「赤」「朱」「橙」「黄」のバリュエーションがあっても「赤」で描くことが多いそうです。
理由には、日本の国旗のせいもあるかと思いますが。

 

sunshine

 

一方、アメリカでは「黄」がメインとか。

「それは月の色だよ」と日本の子どもたちから絶対ツッコミが入りますよね。

色味が調整できない場合は、○○ような色といった例え話を使いますが、海外の場合は色の見え方も違うのでは、この方法は有益ではないと思いました。

コンテンツの合作や輸出入などで、益々海外との距離が縮まっていく中で、色の例えも分かりにくいとしたら、CMYK(シアン、マゼンタ 、イエロー、墨)で表示するのか、それとも共通の色見本を持っていないと難しいのでしょうか。

どなたか教えて下さ~い。

2010-02-28 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑦~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑥~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

 

色の表現(1)

少年や少女雑誌、玩具メーカーなど、子ども向けの場合、原色に近い色を使い、大人からすると、「目がチカチカ」するものがあります。

子どもの興味を惹きつける色使いの配慮は、キッズマーケティングの一貫ですが、色の表現には、戦略的なものがあります。

あるゲームメーカーさんでは、色規定がきっちりルール化されており、そのルールに則ったグラフィックデザインを使用していると聞いております。
すごいですよね!!

ゲーム制作で、ヒロインのキャラデザを大幅変更したことがあるのですが、洋服の色と髪の毛の色を変えるだけで、キャバ嬢からしっとり系の凛とした女性へと大変身を遂げることができました。
色を変えるだけで、大人向けのキャラクターイメージに仕上がるんですから。

色はコンテンツ全体の世界観を表す、重要な要素になります。

そんなわけで、今回は「色」の話です。

万国共通化されつつあるものの中で、一番に思い出されるのは信号機です。
「赤」が停まれ、「黄」が注意、「青」(本当は緑?)が進め、です。
「黄」は危険区域や立入禁止としても使われていますよね。

しかし、こんな光景を目にしたことがありませんか?

以前飛行機に乗っている時、「巻き寿司」の海苔をまるでケーキについているシートのように剥がして食べている外国人女性がおりました。
海苔が嫌いだけなのかもしれませんが、しっとりした米に張りついた海苔が綺麗に取れるはずもなく、ぽろぽろとだらしなく米が落ち、いかにも食べにくそうにしていました。

海苔のような「黒」の食べ物は和食以外でほとんど見たことがありません。
洋食では、イカスミのスパゲッティやキャビアくらいでしょうか。
日本では黒豆や昆布、ワカメなど黒い食べ物への抵抗がないと思うのですが、色における先入観がそうさせてしまったことのように思いました。

例えば、中国の広告での仕事の時では、とにかく「赤」を使え、です。
「赤」は縁起がいい色なので、間違いなく受け入れられると言われました。

しかし、葬式の場合、日本は「黒」だけですが、中国になると「白」も喪を表すとか。
縁起を担ぐ「赤」の反対色としてということらしいのですが。

では、喪を表すのは、とりあえず「黒」が無難かというと、決してそうではないようです。
エジプトでは「黄」が喪の色ということ。
やはり国や文化によって、色の表現が異なるようです。

タブーを打ち破ることによって、新感覚で受け入れられることがあった「墨の綿棒」は、爆発的にヒットしたことがあります。
フランス人の友人にもお土産に渡したことがありましたが、面白いといって喜んでもらえました。

しかし、商品は別としても海外での伝統や継承された文化での色使いには気配りをしなければならないのかもしれません。

2009-10-27 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑥~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑤~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

 血の表現

今夜も難事件・・・が・・・起こる。

 

mystery

 

冒頭から奇妙な出だしとなりましたが、2009年秋番組、2時間ドラマを除くドラマが東京在局で26枠程度用意されているのですが、その内の約半分弱の10枠でミステリー・サスペンスドラマが既にオンエアされているか、もしくは予定されているのです。

2時間のサスペンスドラマを入れたら、ゴールデンタイムでは週に14枠、平均すると1日に2回も視聴者は難事件に遭遇することになっているんです。
かつてないぐらい敏腕刑事や名探偵または頭脳明晰な記者が活躍しているということですね。
(できれば、主役対決をしてほしいぐらいです。)
過去の改編を見ても、2009年春改編が多い方で、同種ドラマがこれほど毎曜日に揃ったことはないように思います。

そして、ドラマ開始から十数分の間には、血だまり、滴り落ちる血、血塗られた文字、血飛沫・・・といった演出がお決まりのように効果の一つとして使われます。
血の表現は、サスペンスドラマの重要な存在です。

そこで、やっちゃった事件!の「血」の表現についてなんですが・・・。
(今回は「血」生臭い話でスミマセン。)

ドラマに比べ、青少年を対象にするアニメやゲームなどでは「血」の表現がだんだん厳しくなっているように思われます。

mystery2

 


おかしな話ですが、ゲーム制作者から「これでも血の量をかなり控え目にした方なんです」とゲーム制作の過程の苦労話のひとつとして紹介してくれたことがあったんです。
これは「血の量」を少なくしなければならない何らかの理由があったということです。
(レーティング審査で落ちたとか、思ったレーティングよりも高年齢マークになってしまったとか、色々想像できます。レーティングの意味がわからない方はこちら。)
ホラーやミステリー系のゲーム以外にも格闘シーンにはつきものであるにも関わらず。

ご存知のように、ゲーム業界にはレイティング機構がありますし、またハードメーカーでの審査もあったりします。
パッケージ化されたゲームソフトやDVD、CDソフトなどは、ドラマやアニメは受動視聴とすると、ゲームは能動視聴となるからで、年齢区分をつけるというのは理解できるように思われます。
(但し、アニメの市販パッケージにはレーティングがないような・・・?)

しかし、今まで日本の表現は世界の中では緩い方だとご紹介してきましたが、どうやら、国内のゲームでの「血」の扱いは厳しい方だと思われます。
より厳格そうなアメリカのゲームソフトの過激シーンが日本よりも緩やかだったりするのです。
アメリカからのローカライズ(日本版移植)で過激なシーンや流血シーンはカットされることが多かったりするとは、他のコンテンツ産業とは少し異なる事情のようです。
面白いですよね。

2009-10-03 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編⑤~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編④~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

 国旗

最近知人に会って、(あーそう言えば、そんなこともあったと)、思い出した事件です。

やっちゃった!事件ですよ~。

これは、どちらも正しいことをしていますので、正確には事件とは言えないかもしれません。

とある国で、大々的なキャンペーンをした時のことです。
お客さんから電話が入り、声高に「間違ってますよ!」と指摘され、顔面蒼白になる事件が発生しました。
何しろ、このキャンペーンには億というお金が動いていたからです。
日本で同規模の大きなキャンペーンを張る時と違って、海外では予測不可能な出来事が起こるので、常にテンパってます。
日本側で事前にきちんと手順を踏んでいても何かしら事件が起こるからです。

広告の中身を見ると、大切な企業のロゴマークが違う絵柄に変更されていたのです。
しかも、サイズも少しだけ大きくなっていました。

「???」
現地に問い合わせをしたら、海外のスピード感の違いもあるので、日本と違って、対応はゆっくりめ。
正しく送った原稿が、どこですり替わったのか全く事情がつかめず、一刻一秒を争う対応にヤキモキしていたら、

「あの・・・コレ、企業のマークだったんですね? ボクタチの『国旗』が間違って描かれているのかと思って、直してしまいました。スミマセン。」
「ええっ? 『国旗』に変えた?」

「日本人のクリエーターがボクタチの『国旗』を間違えたのかと思って。」
「・・・」

そうなのです、企業のロゴに国旗があしらわれておりましたが、恐ろしいことに某国の国旗に酷似しており、間違ったイラストを全国的な媒体に載せては後々国際間の大事に発展すると思って、媒体社がご丁寧にも『国旗』に訂正してくれていたのです。

これには返す言葉が見つかりませんでした。
我々外国人が某国の国旗を間違えて描いてしまったと思っていたなら、良心的に正しいものに直してくれた媒体社はナイスフォローと言えます。
しかも、それを見た国民も同じように、感じる可能性もあり、国民を冒涜していると思われたら、非常にマズイわけですから。
この事件にはお客さんも苦笑するしかありませんでした。

それからです、国旗恐怖症になったのは…。
国旗が描かれた中世もののマンガやアニメ、またゲームを見ると、国旗が目につき、つい「大丈夫だろうか?」と気になってしまいます。

皆さん、大丈夫ですよね?

2009-08-17 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編④~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編③~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

年号

2552年、98年と書いて、この数字にすぐピーンと来た方は超国際派です。

そこで「やっちゃった!事件」です。

タイの有力媒体の「Thai Rath」に、ある広告が載った時の事件です。
もちろん、タイ語が読めるわけではないのです。が、数字は我々でも読み取ることができるではないですか。
新聞一面に書かれている2500年代の文字に、心の中で「おいおい、やっちゃったよ!」と思っておりました。
掲載内容は歴史的な出来事を紹介する記事ですから、そんな未来の話を載せるはずがない、と思ったのです。

しかし…。
これはSFの映画を年号を表したものではなく、冒頭の2552年はタイ暦、西暦の2009年にあたる年なんです。
(国際派を気取っているつもりでも、全然アジアのことは知らなかったんです。恥ずかしい限りです。)

それから、同じ時期に(確か1996年頃)台湾から表紙に85年と書かれた企画書が送られてきました。
「古~っ」と思い、現地に問いただしてみると、最新のものだと言うのです。
そうなんです、台湾にも台湾暦というものがあったんです。
因みに、冒頭の98年は台湾暦で、西暦2009年にあたります。

アメリカ映画を観ていると、西暦○○○○年など、必ず西暦を入れているのにお気づきでしょうか?
国によって、日本のように元号(平成19年)などが存在する国もあるので、混乱を招かないための配慮だと思われます。

これから2010年を迎えるわけですが、コンテンツ業界での混乱が予想されます。
西暦の短縮形が10年となると、平成10年なのか、西暦2010年なのかがわからなくなると言われております。
やはりこれからはコンテンツの内容に年号を示す場合には「西暦○○○○年」と表示しておくのがいいのかもしれません。

2009-05-19 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編③~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編②~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

日本で制作されたコンテンツが、海外販売になった時に意外な盲点があることは前回ご紹介した通りですが、今回は人物描写でひっかかることが多いので、まとめてみました。
欧米は宗教的タブーに気をつけておけばなんとかなりますが、アジア・中東ではいろいろな場面でひっかかることがありました。
 

旬なネタですが、新型インフルエンザで海外ではマスクをしている日本人が奇異に映るなど、各国での慣習が異なります。
海外で知り合いの日本人が風邪を引きマスクをかけて街を歩いていたら、指を差されて大笑いされたエピソードを思い出しました。
因みに、その人は「おまえは、医者を気取っているのか」とおちょくられておりましたが・・・。

○関係

不倫や教師と未成年の生徒などのロマンスは、アジア圏でヒジョーにうるさいです。
国内でもゲームに限っては不倫描写は18歳以上の指定(Z指定)を受けてしまいます。
(経験者です。該当部分を必死に訂正しました。)
また、国によって、男女の表現方法によっては規制を受けることもあります。
(こちらもタイで失敗した経験があります。)

○服装

女性の服装に露出が多い場合、イスラム圏では異なるバージョンを用意された方が無難です。
女性のノースリーブなどの肩出しもダメだったりします。
世界中でヒットを飛ばしていたマドンナもボンテージ・コスチュームを着ていたため、中東ではその音楽番組を放送できなかったことは有名な話です。

○ドレスコード(服装規定)

最近、リアルに描写されることが多くなってきたため、目につきます。
海外では由緒正しい歴史的な建造物や宗教的な行事によって、ドレスコードがあります。
宗教のところに書いた方がよかったかもしれませんが、リアルを追求するあまり、静粛な場に半ズボンやサンダル姿などを描いてしまうと、とんでもないことが起こる可能性もあります。
日本の葬式で全員白い服を着た人たちが参列しているシーンが流れたら、異様に感じるのと同じような気がします。
例えば、着物でも絵が反転されることも意識して着物の左前・右前がわからないように曖昧に描くのも一つのやり方だと思います。

○嗜好品のアイテム

昔は主人公にタバコやアルコールの飲み物をアクセントとして、使うことが多かったのですが、日本でもアニメやゲームなどでのシーンが減ってきました。
でもやはりそうはいっても、キャラ立ちさせるためのアイテムに利用したくなります。
海外の方がタバコ・アルコールの規制が厳しいので、ちょっと工夫が必要になります。

○肌の色

宗教と同様、肌の色も苦手な分野だと思います。
欧米、特にアメリカにはアフリカ系、ヒスパニック系、アジア系人種が混じっているので、自然と登場人物にも肌の色や体格などの配慮がなされています。
日本制作でトラブルになったことは聞いたことがありませんが、海外販売がメインになりそうな場合は、考えておくべき点かもしれません。

○子供の扱い方

子供の扱いは要注意です。
これがファンタジーや冒険ものであれば問題がありませんが、リアルに描くと問題になったりします。
子供がマネをしそうな行為を描いてしまうと、各国の親御さんの目に留まる可能性があります。

と、気づいたところを羅列してみましたが、時代と共に差別用語の禁止など、各国とも表現の規制が厳しくなっているように思えます。

2009-03-31 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編②~

やっちゃった!事件簿 ~海外表現編①~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」もしくはバーの右上の[ やっちゃった!事件簿《海外表現編》 ]をクリックしてください。)

動物

マンガ、アニメまたゲームではよく動物が使われています。
コマーシャルにも動物のキャラクターはよく多用されていますよね。
動物は親しみやすく、人物と違ってリスクが少なく、息の長いキャラクターとして活用できるからでしょう。
統計をとったことがないのですが、そういう中でも、感覚的に多く利用されていると思われるのは、「サル」「イヌ」「ネコ」「パンダ」。
ほぼ世界中に受け入れられている動物です。

そこで、やっちゃった!事件ですよ~。

今回は動物の話で、「豚」です。
(ここまで言うと、もうおわかりだと思いますが。)
制作は、もちろん日本。
風景は人群れの多い活気づいたアジアの市場(マーケット)。
観光旅行でよく見るような、ごくありふれた映像に、含まれていたんですよ・・・ソレが。
な~んと、露店の軒下に豚足が丸ごとブラブラぶら下がっていたんです。
1本ではなく、数十本がブラブラと。

盲点でした。

その原稿は差し替えで済ませることができました。
マレーシアなどのイスラム圏の国では、「豚」をいやしい動物として疎んじられています。
そんなことはなんとなくわかってても、ついつい愛着を感じる「豚」をデフォルメしてマンガやアニメに使いたくなっちゃいますよね。

豚を主人公にしたコンテンツがありますが、その理由でかつてイスラム圏への販売を諦めたことも少なくありません。
イスラム圏は世界の人口の中で20%弱を占めていますが、出産率が高いので、今後どんどん増加していき、コンテンツの輸出マーケットの存在感を高めていくことになると思います。

じゃあ、いっそのこと「豚」を使わない方がいい?
いえいえ、そういったことでコンテンツがつまらなくなってしまうのは元も子もないので、「差し替え」が必要だったりします。
言葉で言うのは簡単で、それはそれで大変なことだと思いますが・・・。

2009-03-13 やっちゃった!事件簿 ~海外表現編①~

宗教

「全部、原稿差し替え!」
「はい?」
「タイの事務所から電話があって、例の仏像のイラスト、掲載できないって」
「え~、今から制作し直したら、締め切りに間に合わないですよ!」
「ダメダメ、しかも仏像の足の裏が出ちゃってるだろ、それはタイでは失礼なことだそうだ」
「………」

ashi

な~んてことをやっちゃったことがありませんか?
日本も国際化が進んで、欧米人ばかりではなく、アジアの人も増えてきていますけど、それぞれの国のことを深く理解しているわけではありません。
特に、宗教。
日本は世界の中でも宗教オンチな国。

アメリカに住んでいるからと、クリスマス時期になると、どの人にも「メリー・クリスマス」と書いて送り続けてしまったり、海外から来たお客さんの接待で、食べものの調査を怠りとんでもない大恥を掻いたりしたことは誰にもあることだと思います。

この「やっちゃった事件簿」では二つのミスを侵しちゃってます。
一つ目は仏像信仰が強い国のタイで仏像をメインに使っちゃったこと。
二つ目は足の裏の意味を知らなかったこと。

目立つもの、話題になるものをと、奇抜なアイデアを優先するのは仕方がないことです。
でも日本で作られたコンテンツを海外で売ると、たまに宗教やその国の慣習の違いでちょっとした記事になっているのを眼にします。
もちろん、最初から海外を意識して作る場合、大きな会社には海外の営業所や事務所があり、チェック体制ができているので、未然に防ぐことができるはずなんです(そうでないこともありますが…)。

 

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出来上がったコンテンツを急に海外で売ろうという話になった時に宗教の違いやその国の慣習に初めて気づくことが多いと思いますが、最初から海外で売ろうと思った場合には宗教的なこと、その国の慣習などをちょこっと意識して作られたりするといいなあと思ってます。

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