タメになる面白情報

はじめに

コンテンツ・リプロデュースを補足する、「タメになる面白情報」

「タメになる面白情報」コンテンツの権利の利用方法や契約、海外表現に関する面白い情報から真面目な統計まで硬軟取り揃え、コンテンツの2次利用に役立つ情報を志しています。
もし気になる情報や「タメになる面白情報」についてのご意見・感想などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
↓クリックでメールアドレスが表示されます。
omoshiro

※PCの場合は右の記事一覧で選択、携帯の場合はこの「記事一覧」をクリックすると、一覧に飛びます。または各記事の見出しバーの右上の文字列(例 [ コンテンツ2次利用《ゲーム化》 ] )をクリックすることで、ご覧頂けます。マウスを合わせても下線が現れない場合は、すでにまとめ記事が表示されていることもあります。[編集 面白班]

2010-01-26 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑩~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑨~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

日本の商標

山口市が申請した「中原中也」の商標登録の出願が却下された記事を読みました。
中原中也は山口県出身の詩人で、その才能を持って若くして亡くなったことでも有名です。

しかし、山口市のやったことは、本気で商標を取りたかったわけではなく、出願することによって、個人や企業が独占的に利用することができないことさえ確認できれば良かったようです。
歴史上の人物名は商業利用ができないことを証明したってことです。

だとしたら、グッジョッブ!!

しかし一方で、このニュースが報道されることによって、過去には歴史的人物名が商標登録されていたこともあったようで、異議申立により、登録の取り消しが行われていることも知りました。

通常、商標を取る場合、商標調査を行って、取れると思ったら申請をします。
ほぼいけそうだと判断しながら、商標取得に時間がかかるので、商品・サービスや広告、関連するものに、商標である商品名やサービス名を付していくではないですか。

それが突然取り消されることとなったら、ビジネスへの影響も大きいですが、被害も大きいはずです。
それも何年も利用していたら・・・
ヘタすると億万単位、数十億・・・それ以上の損害にもなります。

日本の商標ですら、このような状況ですと、やはりアジア各国でも同じことが起きてもおかしくありません。
・・・想像するだけで、いやになりますね。

そして、それよりも更に気になることがあります。
「歴史上の人物」の定義はどこまでなのでしょうかね?
今年の大河ドラマで話題の「坂本龍馬」はかなり商標登録されております。
その矛盾については触れては・・・・い・け・な・い?!

2009-12-24 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑨~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑧~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

日本から海外コンテンツの取得

すっかり間が空いてしまいました。編集部の怠慢です・・・(詫)。

以前の記事では日本の人気コンテンツの2次利用について書かせて頂きましたが、今回は日本から海外のコンテンツの取得をする場合です。

数はそれほど多くありませんが、日本から海外のコンテンツを取りに行った経験をお伝えすると、こんな点が大切であるように思います。

・企業の大小は関係なく、「本気度(前の記事をご参照)」が前面に出ていること
・コンテンツ・ホルダーに訴えかける企画書作成はやっぱり大事
・予算の余裕があれば、出張して会社訪問をする

上記2つさえ、抑えていれば何とかなります。
(もちろん、ライセンスの費用の蓄えがないとお話しにならないことはありますが。)
「企業の大小は関係ない」とは、意外だと思いますが、日本も海外も(今回はアメリカでの話が中心になりますが)同じです。

そこで「やっちゃった!事件」ですよ~。

というのは、実ににがい体験だったのですが。一つのコンテンツを日本から2社で取り合っておりました。
当方は企業の規模(いやらしい言い方ですが)で言うと大手、競合は中小でした。
アメリカのコンテンツ・ホルダーなら、きっと規模が大きく、支払いが安定しているこちら側を選ぶだろうとタカをくくっていたんです。
ところが、こちらが手順にならって交渉を進め、順調だと思い込んでいる中、蓋をあけてみると、競合は手付金を払い終わって、見事に惨敗していました。
・・・・アレレ?

落とされた一番の理由は、

・日本の大手企業は人事異動で担当者がコロコロ変わること(アイタタタ)
→意訳:日本の担当者が変わるとビジネスルールが変わるので困る
・社長が交渉の場に出ない限り、信用が置けないこと(日本の社長が現場の交渉に出ることは稀)
→意訳:代表権を持ってない人以外は雇われでしょ?雇われ役員も株、そんなに持ってないでしょ?

でした。
かつてアメリカの巨大メディア・コングロマリットのCEOが来た時、そんなお話しを頂いたように。
人脈はビジネスのネットワークのはずなのに、日本の人事異動は何を考えているのか、
無縁な職場に飛ばしてしまうんだよね、と。

日本のサラリーマン組織はかつては称賛されていた時代もあるのに、今や無責任体制というデメリットにも捉えられることがあるんですよね。

だから海外のコンテンツ・ホルダーが大手とだけ取引をしたがっているなんて思いこんでいる方、それは大間違いです。
逆に、時間はかかるわ、注文は多いわ、次々担当者が出てくるわ、で海外のコンテンツ・ホルダーが面倒に思っているところも多いはずです。
海外のコンテンツ・ホルダーもやはり日本と同じように、「子供を預けるんだから、しっかり育ててほしい」という気持ちは一緒。本気で孵化してくれる相手先を探しています。

「女を口説けないようじゃ、仕事はできない」と言われる業界に長年いたので、
企画書作成や売り込みは一番楽しい仕事のように思いますが、皆さんはどうでしょうか?

えっ、苦手?!

2009-12-07 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑧~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑦~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

人気コンテンツの海外での2次利用

日本のコンテンツは世界中からも注目を浴びています。
それはここ十数年のことかもしれませんし、今後も日本のコンテンツが注目され続けるのか、誰にもわかりません。
ただ、今は本当に人気があります。

そういう流れの中で、色々な国から人気のある一部のコンテンツに問い合わせが集中しているようです。
しかも、各国のコンテンツ受け入れの事情は異なり、また、原作者・制作者の意図と異なった扱われ方になることも多く、未だに日本の原作や権利者と許諾側の二次利用者との間にはかなりの温度差があるような気がしてなりません。

原作者や権利者の多くは、各国のファンの期待を裏切らないことといった使命を負って許諾を吟味しているような気がしますが、二次利用者側は「売れる」ことしか考えていないように映ることが多いのです。

それは二次利用者側の企画書を見ると明らかになります。
企画書の自社アピールはすごいのですが、いざコンテンツのことになると、何の目的で、どういったファンを形成するのかが示されていなかったり、また、原作への配慮抜きで、「うちの会社はこんな実績があります」「こんな技術で見せます」とか周辺情報ばかりでは、貸す方も貸したくなくなりますよね。
目の前にすごい大金積まれても・・・。

しかし、前もってアドバイスを伝えても、各国の企画の練り方と日本のそれとはまた異なったりするものですから、ハードルがかなり高いです。

二次利用者は任せても大丈夫と思わせることが第一で、そのために、各国での固定ファンや新しいユーザーや視聴者を獲得する方法論を見せなければならない
でしょうし、増して「人様のものを借りる」といった意識を省いて、力づくで奪うような書き方では版権担当者のココロを揺さぶることはできないでしょう。

ココロを揺さぶる企画書を作成する前に、「本気度」という熱意を見せることの方が重要かもしれません。

二次利用をきっちり行える会社は、その作品を素直に素晴らしいものとして認めている態度や姿勢が企画書や交渉の時にもにじみ出ているような気がします。

海外のコンテンツのライセンスを逆に日本にも紹介する機会も多くあります。
日本側が本当にほしいと思ったコンテンツだった場合でも同じことが言えるのではないでしょうか。

2009-11-06 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑦~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑥~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

中国の商標

7月8日海外契約編②にも書きましたが、中国での商標の怖さがじわじわ伝わる事件が多いですね。
日本のタレント名の他、地名や都市名、またブランド名なども登録されていることがあるようです。

そこで、やっちゃった!事件ですよ。

日本も中国も商標に関しては先願主義を取っています。
先願主義とは、先に出願してしまえば、認められてしまうことです。
過去、国内同士でも商標の先願主義のお陰でトラブルになったケースが多かったのですが、今は中国と日本の訴訟も多く見られるようになってきました。

そして、コンテンツの場合でも。
最近、有名な漫画家が不慮の事故でお亡くなりになりましたが、中国ではそのマンガタイトルの商標(中国語表記のみ)が登録されたままになっていることは有名な話です。ホンモノが締め出されて、ニセモノが胡坐をかくなんておかしな話です。

しかし・・・逆のパターンも。

今まで自国のことに無頓着だった中国が、外国企業による中国(西遊記や三国志等)の古典の商標登録が問題となり、訴訟も起きているようです。
(タイトルによっては日本側が提出している商標の棄却もあるようです。)
国際法的にも古典の保護の権利は正当な対応だとか。

中国の01年のWTO加盟により、胸をなで下ろした日本企業も少なくないと思いますが、それでも違法コピー率80%といった、正規版が出回らない国で警戒を緩めることが
できませんでした。
「模倣大国」「海賊版」といったネガティブイメージは未だに解消できていません。

ところが、先進国と肩を並べる経済力や実力をつけてきた中国が知的財産権の旨みにも目覚め、模倣やコピーにも躍起になって検挙し始め、最近は特許や国産のコンテンツ育成に力を注いでいるように思えます。
中国の政府組織もそれを裏付けるかのように、アニメやオンラインゲーム等は国務院の新聞出版総署から文化部(いわゆる文化省)に審査等の管理業務が移管されました。
(コンテンツ関連の出版物は以前新聞出版総署のため、ガイドブックや説明書等の審査はそのままということらしいです。)

海外企業のIT製品のソースコードなど強制開示を求める法案(来年予定)などドラスティックなことをする中国ですので、今後コンテンツにも何らかの影響があるかもしれません。
ただ、日本の国内需要が低迷していると、海外の中でも、やはり中国は大きな市場なので、目が放せない状況であることは確かです。

それにしても日本の古典は中国政府のように守られているのでしょうか?

2009-09-12 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑥~

 

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑤~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

版権窓口

テーマは版権窓口です。
「版権」や「窓口」という言葉に聞きなじみのない方がいらっしゃるかもしれません。
「版権」はこのサイトの用語集にも載せているように、現在でも業界で一般的に使われている著作権の総称で、我々のようなビジネスも版権ビジネスの傍らに入ります。

「窓口」というのは、版権を保有している、もしくは、管理を受託している、更には一元管理をしている版権管理会社などのことを言い、前者の2つは分野別やカテゴリー別にわかれて窓口が設置されている場合もあります。

分野別とは、例えば、「商品化はA社が窓口」といった形で、商品に関する問い合わせがA社に一任され、類似商品にコンテンツが使われないようバッティングを防ぐ役目を担います。
窓口は借りたい時の受付機能と思ってもらえばいいのかもしれません。

さてさて、何でテーマが「版権窓口」なのかと言えば、「やっちゃった!事件」だからです。

我々のようにコンテンツ業界の端に場所を陣取りながら、宝探しをさせられているのが「版権窓口」というところなのです。

現在、海外から今一番熱い視線が注がれている日本のコンテンツ。
合法的なルートや非合法での接触も含めて、日本のマンガやアニメ、そしてゲームは各国で人気を博しています。
その人気マンガやアニメに便乗して、ひと儲けしようと海外の人たちが日本に対して直接コンタクトを取るのですが、これが意外に難関なのです。
借りたい会社がその国では有名でも、日本から見たら、わけのわからない会社が何か言っているらしいとしか思えないのも一つの理由ですが、窓口がどこにあるのか非常にわかりにくいのです。
挙句、ダメ出しを食らって断念してしまう企業も少なくないように思えます。

そして、我々に依頼が来た段階でも、海外の会社と同じ間違いをおかしてしまうのです。
この場合はこっちで、あの場合はあっちと、我々でも右往左往するわけで。
最初のボタンの掛け違いが後々問題になったりすることもあり、慎重に動かなければならないのです。

古くからある人気コンテンツになればなるほど、その複雑な構造には驚かされます。
それはまるで、リアル版のトレジャー(宝探し)ゲームのようです。
(ってことは我々はトレジャーハンターってこと?)

諍いを起こさせない日本の協調性がそうさせてきたのかわかりませんが、我々の宝探しの旅はまだまだ続きます。

2009-08-03 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編⑤~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編④~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

海外でのコンテンツ価格設定

今回はコンテンツの価格設定です。

アメリカのコンテンツの価格もひと昔よりもリーズナブルで、フレキシブルになってきたと聞いています。
日本のコンテンツも世界から注目を集めているので、販売時の価格というのが一番気になるところだと思います。

そこで「やっちゃった!事件」です。

その昔、日本のドラマがアジア各国で大流行りの頃。どこの国でも人気があって、営業目的で無断でポスターを貼ったり、目に余る行為が繰り返されていた時代です。(今でも状況は余り変わらないのかもしれませんが。)際立って人気のあるドラマの主演俳優をアジアのある商品の広告に使おうと考えていました。

日本のタレントを使えば、日本の商品が絶対売れる、と自信を持って練りに練った数名の俳優の広告出演交渉を行い、許可を頂いて、その国の社長に提案したのです。
その頃はアジアということだけで、余り好印象でない上に、尻込みされる中タレントを口説き落としたことで自分の案に自信があったのです…が。

「あのね~、ここは日本じゃないんだから、日本の価格でやられちゃ、割に合わないんだよね。」
トクトクと日本との経済格差を語って頂き、要するに日本のままの価格体系を持ち込むとアンバランスになるといった説明を受け、プランはその場で砕け散っていったのです。

ハイ、よく考えないで提出してしまったことが間違いでした。
既に進んでいる会社は、コンテンツを売りやすくするために経済力を意識した価格を提供しているところもあるくらいでしたら、少し考えればわかることでした。
売りたい地域や国に対して、経済的な力(購買力)などを意識しなければならなかったのです。
やみくもに、高い金額を提示してもその国での商品の収支が合わなければ提案する意味がないのです。

購買力のある国が欧米ばかりとは限らない今、価格のつけ方ひとつで機会損失が起きないよう気配りが必要だと思っています。

2009-07-21 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編④~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編③~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

海外でのコンテンツ販売のまとめ

コンテンツのタイトルについては前回お話しした通りですが、それ以外に次の項目を海外で販売する前にチェックした方がよいものがあります。
その一部分をご紹介します。

①タイトル
前回に話した内容のまとめです。
仕向地で既に商標登録済み(いわゆるRやTMマークなど)、
または紛らわしいタイトル名ではないか

②音楽
楽曲に有名なアーティスト・グループを採用していないか

また、許諾を受けたものか、それとも著作権フリーのものか

③キャスティング
マンガ、アニメ、ゲームなどのキャラクターの利用許諾のエリアはどうか
タレントや芸能人または実在の人物などを採用していないか
または実在の人名を使っていないか
声優を使っていないか

④背景
背景・バックグラウンドに有名建物を使っていないか
(日本での有名な建物の場合、所有権・パブリシティ権を主張される可能性もあり。)
仕向地で、問題にならない建造物か

⑤表現
※海外表現編にて詳細はご確認ください。
日本に関わるような古典・落語・ことわざ・ギャグ・文化ネタが多くないか
仕向地では受け入れられない表現ではないか

⑥ソフト・プログラム
コンテンツ制作上、自社制作以外のプログラムを使用していないか
(例;ゲーム制作でミドルウェアやプログラムを他社に頼っている場合、
マンガ・アニメ制作でソフトを利用している場合)

⑦その他
過去に前例がないものを利用していないか

おおまかに書きましたが、イザという時にこんな所が影響してくることがあります。
日本だけでもコンテンツひとつを作り上げるまでに労力がかかるのに、海外となると、作り上げた段階を細かに調べ直すような手間も発生します。

2009-07-08 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編③~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編②~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

海外でのコンテンツタイトル名

最近、中国では日本のタレント名が商標登録されているという記事を読みました。
日本では認められない行為ですが、中国の商標法では他人の名前を登録できるんです、ね。
そんなことがされているとなると、有名人でなくても、自分の名前を調べてみたくなりますよね?!

さてさて、コンテンツそのものではないのですが、かつて仕事の一貫として日本企業の海外進出時のネーミングに携わっている時期がありました。
各国の事情で、商品名や企業名ですら変更しなければならないことがあります。
ネーミングにはトレンドがあり、流行に左右されたものが多いからです。
例えば、ひと頃は英語流行りで横文字の企業名や商品名が多くなっていましたし、フランス、スペインなどの国が注目されると、その言語に付随したネーミングが必然的に多くなります。

で、その日本企業が欧米方面の海外進出を迎えると・・・。
トラブルの元が商品のネーミングだったりするんです。
日本で商標登録しやすくても、母国語の国では既に登録されていて、ネーミングのつけ直しを余儀なくされるのです。
中国に進出する時は、漢字がほとんど同じでも読み方が違うので、漢字そのままにすべきか、読み方(音)に合わせた漢字にするべきか、という配慮も必要になります。

そこでコンテンツタイトル名です。
大雑把な計算で、商業ベースでコミックで10,000タイトル、アニメで350本、ゲームで1,000タイトル、映画系DVDで1.000タイトル、シリーズタイトルやコンテンツ間の重複があったとしても一年間でかなりのタイトル数が発売されています。

しかも、商品の代表名称ですから、コンテンツタイトルをつけるのに時間がかかります。
ありきたりな言葉は既に登録済みなので、コンテンツのコンセプトに合った造語を数十個くらい用意し、それからスタッフレベルでイメージのいいものを絞り込み、まず国内での該当ジャンルでの同名の商標チェック。

数十個の候補があったのに、結局2、3個しか残りません。
それで例えば、おもちゃ展開するかもしれないと、おもちゃなどの範囲で調べ、次に、同名の絵本を出版するかもしれないと出版で調べ・・・、な~んてやっているうちに、カテゴリーがどんどん増え、既に商標登録されていることが判明、最初から考え直す無限ループに突入します。

発売されたら、されたで、コンテンツタイトル名が勝手に海外サイトで翻訳されたりすると、ハラハラした気分になります。
予算がフンダンにあって、最初から海外展開することが盛り込まれていれば、海外商標の調査費用や登録費用も含まれていることでしょう。
でも、そんな余裕アリアリの予算で、タイトルをつけていることの方が稀です。

そこで「やっちゃった!事件簿」というより「やっちゃいそうな!事件簿」です。
海外にコンテンツを販売しようと思った時に起きがちなタイトル名問題です。

新型インフルエンザの時に「パンデミック(pandemic)」という言葉を耳にされたかと思いますが、感染においての世界的流行を意味する英語です。
新しい言葉を使いたくて、例えば、感染モノのコンテンツタイトルにつけたらどうだろうか、と発想したとします。
今では話題に上ることも少なくなりましたが、タイムリーな時期にスタッフ会議で提案したら、すぐにも採用してもらえそうなタイトルだと思えるじゃないですか。

これが落とし穴なんです。

自分にとって新しくても、母国語の人たちにとっては新しくも何でもない言葉なんです。
「パンデミック」はアメリカでは79個も造語も含めて登録されてしまっています。
(※注:実際、ゲームや映画などの分野で登録。某ゲーム会社の有名タイトルもあります。)
地域的な流行を示す「エピデミック(epidemic)」はさらにそれを上回る224個の登録がおこなれています。

日本語で書けば漢字圏の中国語に近くなるし、英語で書けば先に登録されているし、一体、どうすれば?と思われるのもわからなくはないです。

出来るだけ、面白い名前を、また、ありそうもない組み合わせの造語を作って下さい。
ネーミングの長さの流行もありますが、長くたって短くたっていいんです。
日本語でも英語でも構わないと思うんです。
覚えやすさを尊重するか、ユニーク性を尊重するか、決めた上で、クリエーターの方々なら、日々の創造力の訓練で独創的なタイトルを生み出せるはずです。
ただ、気を付けてほしいのは、新しい外来語に出会った時、それは既にその国では普通に使われているものかもしれないということだけです。

だけど、商標はいちいち登録しなければいけないの?

・・・という疑問ですが、する必要性のあるものと、必要性のないものとが、もちろんあります。
(商標登録の調査や登録に時間や予算がかかりますので、奨励するつもりはありません。)
ひとつのコンテンツから色々なものに利用されたり、展開したりする場合は、必要とされますが、商標登録しなくてもいい場合の方が多かったりします。

同じジャンルに同名のコンテンツが横並びになってしまった場合、商標登録がされている方が有利ですので、その分野でのタイトル名が利用できなくなるという点だけ、ご注意ください。
時間的に余裕のある方は海外の検索エンジンでチェックすることをお奨めします。

2009-06-29 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編②~

やっちゃった!事件簿 ~海外契約編①~の続編です。(やっちゃった!事件簿だけをご覧になりたい方は左の「やっちゃった!事件簿」、もしくはバーの右上の[やっちゃった!~]をクリックしてください。)

海外との契約諸々②

今回は原作者(権利者)と2次利用者の事例です。

某国のエージェントから、日本で流行っていたアニメーションを海外で使いたいという相談を受けました。
原作はアメリカ。しかし、日本の制作会社がリメイクした番組の方が本家よりもはるかに有名になっていました。
「いやいや、これは日本制作のバージョンで・・・。」
と原作にも許可を取るべきだと伝えても、エージェントもその企業も理解を示しません。

原作よりも2次利用したものが有名になってしまうことはよくあります。
また、原作の許諾を受けた段階で、全ての所有権も移転していると思い込んでしまっていることも多く見られます。
「キャラクターの絵も違うし、ストーリーも日本的になっているし、原作と全く違う」
と思っていても、原作を基に創作されたものであると、原作者の許可が必要となるのです。

同じ時期に、韓国で原作の日本に許可を取らず、アメリカに映画のリメイク権を許諾してしまった事件を目にしました。
現場の人たちが全て法律に長けているわけではありませんし、増してや、コンテンツ成熟期ではなく、発展期にある国では情報も整備されていないだろうし、コンテンツの扱い経験値も低く誤解も多いと思います。

日本でも2次利用のものを原作だと思い込んでいる企業や関係者が多く2次利用者に許諾を得れば、それで権利処理が行われたと思い込んでいることもままあります。

copyright 1

原作者や元の権利者は軽視されがちですが、創作者・著作者として著作権の法律ではついて回るものなのです・・・。
(著作権の保護期間のことは用語集の「保護期間」に掲載しています。)

2009-06-18 やっちゃった!事件簿 ~海外契約編①~

海外との契約諸々①

重いタイトルですが、今回は「海外との契約諸々」です。

著作権侵害や、肖像権侵害や、特許侵害とかコンテンツを創ったり、扱ってりしていると知的財産権関連の法律的な問題に色々直面します。

「やっちゃった!事件簿」の過去の事例でいうと、ライセンス契約の更新を忘れておりまして、海外の著作権者から無断使用で訴えられそうになりました、です。
契約期間を意識するのは基本中の基本。しかし、契約締結後は締結までに注がれたパワーが一気にダウンし、書類は放置された状態に。
机の奥や集中管理ファイルに保管され、時間と共にすっかり忘れ去られて・・・
な~んてこと、ありますよね。
まさにうっかりしていたことによる事件でした。

日本での口契約の世界に長く身を置いていたこともあって、普通の契約書でも目にする機会がなく、いきなりの海外契約で非常に苦労をしました。
増して、日本の「ナアナア」精神は訴訟大国アメリカには通用しません。
分厚い契約書に目を通して、ターム毎にサインをして・・・という作業を強いられるわけです。
お付き合いのあるクリエーターの方々は普通の契約でも抵抗感を感じると言われますが、かつての自分もそんな状況でした。
契約書を読んでも一向に頭に入らない、残らない、何を言っているのか理解する気も起きない、契約アレルギーそのものでした。(結局、面白味がないというのが一番の理由だと思います。)

しかし、ここ十数年で、日本も様変わりをし、海外からコンテンツを受けているばかりではなく、発信する側になってきたのです。
海外番組が地上局のゴールデンタイムで放映されていた時代から、逆に日本の番組やフォーマットが海外で売れるようになってきています。
また、マンガ、アニメ、ゲーム、映画が海外にどんどん出ていく時代になっています。
こうした状況で、契約は避けられない局面を迎えているわけで、実際に起きそうな海外での契約や著作権の誤解を今回は特集していこうと思っています。

Back to Top